おひとりさまの中には、ペットを飼って癒されたいと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、自分自身の終活と同時に「自分がお世話できなくなった時に愛するペットはどうなってしまうんだろう」と心配になってしまいます。
この記事ではペットの終活について解説します。
病気やケガなどで入院が必要になった時や介護施設に入居しなくてはならなくなった時などお世話ができなくなる時はいつやってくるかはわかりません。

いざという時に備えて愛するペットの終活についても考えてみましょう!
ペットの終活をするメリット

そもそもペットの終活はなぜ必要なのでしょうか?
自分にもしものことがあった時の準備ができる
ペットを飼う時は、最期まで責任を持って大切に育てたいと覚悟を持ってお迎えするはずです。
しかし、どれだけ覚悟を持ってお迎えしたとしても飼い主の自分に病気やケガが起きたり、災害などの予期せぬ状況が起きたりするのは誰にも予想ができません。
自分にもしものことがあった時に一番に心配になるのが愛するペットのことではないでしょうか。
自宅にペットが放置されてしまったら、自治体などに処分されてしまう可能性もあります。
必ずしも自分より先にペットがなくなるとは限りません。
例え、飼い主の自分が高齢ではなくても、自分にもしものことがあった時の準備をしておけば安心です。
急な対応にあわてなくてすむ
ペットが急に亡くなってしまった場合、混乱してしまいさまざまな判断をするのが大変になってしまうことがあります。
深い悲しみに暮れてしまい、ペットの埋葬方法などを考える余裕がなくなってしまう可能性も。
また、ペットの病気やケガなどで緊急な処置が必要になってしまった場合もパニックになってしまいます。
主治医の情報などを整理しておきスムーズに対応できるようにしておけば落ち着いて対応できます。
人間の緊急時であれば救急車を呼んで救急隊に判断してもらえますが、ペットの緊急時は飼い主がしっかり準備して対応するしかありません。

いざという時に備えて、余裕のある時に準備しておくと安心です。
ペットロスを軽減する
ペットを失ってしまった時の悲しみは計り知れないものです。
食欲がなくなったり眠れなくなったりペットロスでなかなか立ち直れない方も多いでしょう。
毎日一緒に過ごし、大切にしてきたペットがなくなったのですから亡くなった悲しみに暮れてしまうのは当然のことです。
ペットの終活をしておくと、このような辛い状況を軽減してくれると言われます。
ペットが亡くなった時の備えをすることは気持ちの準備にもなり、ダメージの軽減が期待できます。
誰しもペットの最期は考えたくないものですが、生きている間に悔いのないように準備し、愛情を注いで思い出を残しましょう。
ペットの終活で行うべき内容

ペットの終活も人間の終活もほとんど変わりません。
葬儀や埋葬の方法を決めておいたり、いざという時の保険に加入したりと人間さながらです。
詳しくみていきましょう。
ペットの引き取り先を考えておく
自分がペットの世話をできなくなった時に誰に引き取ってもらうのかを決めておきます。
親族や友人にお願いする
親族や友人にお願いできる人がいれば、ペットのことを知ってもらえているので安心です。
しかし、家族がいてもあまりペットのお世話に関わっていなかった場合や、忙しくて十分にお世話ができない家族もいます。
他の親族や友人に頼むとなっても、ペットをお迎えするのは責任のかかることなので気軽に頼めるものではありません。
家族や友人に頼む場合は、元気なうちにしっかり話し合っておく必要があります。
ペット信託
もしもの時に備えて「ペット信託」という方法もあります。
ペット信託とは、自分の財産の一部を信頼できる第三者に託して、自分にもしものことがあった時に運用してもらう制度です。
自分の残した財産からペットへの飼育費を支払ってもらうことができます。
ペット信託は飼い主の死亡時だけでなく、急な病気やけが、施設への入居で飼えなくなった時などでも対応してもらえます。
ペットの信託財産は相続財産とは別扱いになっており、ペットのために財産を残しておけるのがメリットです。
しかし、信託財産を管理してもらう人やペットを飼育してもらう人を選任するのが困難であることや、初期費用や飼育費用にはそれなりの金額が必要になることなどデメリットもあります。

慎重に検討しましょう!
ペットのエンディングノートを作成する
ペットのエンディングノートは飼い主に万が一のことがあった時に役立ちます。
引き取り先を記載しておけばペットが路頭に迷うことなく、スムーズに引き渡すことができます。
また、無事に引き渡せた後も安心して過ごせるようにするために、情報をしっかり記載しておけばペットも引き取り先も安心です。
エンディングノートに記載する内容には以下のような項目があります。
- 基本データ(名前・種類・性別・誕生日・体長・体重・血統書の有無・登録番号)
- 緊急連絡先・引き取り先
- 加入保険
- 医療情報(かかりつけ医・持病・服薬・予防接種の有無・去勢、避妊の有無)
- 食事内容(お気に入りフード・回数・量・アレルギー)
- 生活習慣(トイレ・散歩・入浴・トリミング・好きな遊び)
- 供養の方法
ペット専用のエンディングノートも販売されているので参考にしてみるのも良いでしょう。
葬儀・埋葬の方法を考えておく
ペットの埋葬方法には土葬と火葬があります。
土葬するには場所の問題などをクリアしなければならないため、近年では火葬をするケースの方が多くなっています。
火葬は自治体で依頼するか、ペット葬儀会社に依頼するかのどちらかです。
合同火葬の場合は遺骨が返ってこないため、納骨まで行いたい場合は注意してください。
民間のペット専門の葬儀業者に依頼した場合は、葬儀やお墓についても検討しておきます。
ペットの遺骨を自宅に持ち帰って供養する手元供養や、海や山にまく散骨の他に、ペット霊園で遺骨を安置することもできます。
飼い主と同じお墓に入る方法も。ただし、同じお墓に入れないケースもあるので確認が必要です。
お葬式やお墓については生きている間に予約もできるので、検討したうえで確認しておくと良いでしょう。
ペット保険への加入
ペットには人間のように健康保険制度がないため、医療費が高額になってしまいます。
いざという時のためにペット保険への加入を検討したり、契約中のプランを見直したりするのも大切です。
ペット保険は加入時の年齢制限や、過去の病歴で加入ができないケースもあるため元気なうちから考えておく方が良いでしょう。
ペットの終活は自分のためにも早めに行おう

この記事ではペットの終活について解説しました。
ペットの終活をすることは、ペットのためだけでなく自分のためにもなります。
おひとりさまの心を癒してくれるかわいいペット。
最後まで安心して幸せに過ごせるように、自分にもしものことがあった時のことまで考えておきましょう。