40代後半になると、ふと「もしも」のことを考える機会が増えてきませんか。特に持ち家をお持ちのおひとりさま女性にとって、終活での不動産の扱いは重要な問題です。

私もローン返済中ではありますが30代でマンションを購入しました!
同じ立場として、この問題について考えていきたいと思います。今回は、終活における持ち家の選択肢について、一緒に考えていきたいと思います。
終活で持ち家が問題となる理由

おひとりさまの場合、持ち家は将来的に「負の遺産」になってしまう可能性があります。
相続する人がいない、または相続人に迷惑をかけたくないという思いから、多くの方が悩まれています。
また、高齢になって家の維持管理が困難になったり、介護が必要になって施設入居を考える際に、持ち家が足かせになることもあります。住み慣れた家への愛着がある一方で、現実的な問題も無視できません。
特に悩ましいのが手放すタイミングです。いつ一人暮らしが難しい状況になるかわからないため、早すぎても遅すぎても後悔することになりかねません。
持ち家を手放すという選択肢

住み慣れた家を手放すのは勇気がいる決断ですが、将来を見据えた現実的な選択として検討する価値があります。
売却のメリットとタイミング
持ち家を売却することで、老後資金を確保できるのは大きなメリットです。特に立地の良い物件であれば、まとまった資金を手に入れることができます。ローンが残っている場合でも、売却価格がローン残高を上回れば、差額を老後資金として活用できます。
売却のタイミングは、体力と判断力があるうちに行うことが重要です。市場価格の変動や税制改正の影響も考慮に入れて、複数の不動産会社に査定を依頼し、適正価格を把握しておくことが大切です。
また、売却には3〜6ヶ月程度の期間が必要なことも念頭に置いておきましょう。急いで売却すると、相場より安い価格での取引になる可能性があります。
賃貸住宅への住み替え
売却後は賃貸住宅に住み替えることで、維持管理の負担から解放されます。また、体調や経済状況に応じて住み替えの自由度も高くなります。
バリアフリー対応の物件を選ぶことで、将来の介護ニーズにも対応しやすくなります。最近では元気なうちから入れる施設も増えているため、選択肢はより広がっています。

高齢になったら施設も考えないといけないですよね!
持ち家を活用する方法

完全に手放すのではなく、持ち家を資産として活用する方法もあります。住み慣れた環境を保ちつつ、経済的なメリットを得ることができる選択肢です。
リースバックという選択
持ち家を売却しながらも、そのまま住み続けられるリースバック制度があります。住み慣れた環境を維持しながら、まとまった資金を得ることができる魅力的な選択肢です。
ただし、家賃の支払いが発生することや、将来的な家賃上昇リスクなどもあるため、慎重な検討が必要です。
賃貸収入の活用
現在住んでいる家を賃貸に出すことで収入を得る方法があります。完全に手放すことなく、資産を活用できる点がメリットです。
例えば、介護施設への入居や利便性の良い立地への住み替えを機に、持ち家全体を賃貸物件として貸し出すことができます。家賃収入により施設費用や新居の家賃を賄えるため、経済的な負担を軽減できます。
また、使っていない駐車場がある場合は、近隣の方に月極駐車場として貸し出すことも可能です。立地によっては毎月安定した収入を得ることができます。
これらの方法は、住み慣れた家に住み続けながら老後資金を補える点が魅力ですが、管理の手間や入居者とのトラブルリスクも考慮して検討することが大切です。
相続対策としての持ち家処分
相続人がいる場合でも、相続後の管理負担を軽減するために、生前に処分しておくことは思いやりのある選択です。相続税の負担軽減にもつながります。
持ち家を売却せずに、生前贈与として相続人に譲渡する方法もあります。年間110万円の基礎控除を活用した暦年贈与や、相続時精算課税制度を利用することで、税負担を軽減しながら資産を移転できます。
ただし、2024年の税制改正により生前贈与加算の期間が延長されるなど、制度が複雑化しています。贈与税の仕組みは複雑なため、税理士などの専門家に相談して、最適な方法を検討することが重要です。
持ち家の終活で必要な準備

持ち家の将来について決断したら、具体的な準備を進めていきましょう。事前の準備がしっかりしていると、手続きもスムーズに進められます。
専門家への相談
不動産の処分には、不動産業者、税理士、司法書士など複数の専門家の協力が必要です。早めに相談体制を整えておくことで、スムーズな手続きが可能になります。
不動産業者は売却価格の査定や販売活動を、税理士は譲渡所得税や相続税の試算を、司法書士は登記手続きや遺言書作成をそれぞれ担当します。また、ファイナンシャルプランナーに老後資金の運用について相談することも有効です。
信頼できる専門家を見つけるためには、知人の紹介や地域の士業団体への問い合わせを活用しましょう。
必要書類の整理
登記簿謄本、固定資産税評価証明書、建築確認書類など、必要な書類を整理しておきます。また、家族や信頼できる人に書類の保管場所を伝えておくことも大切です。
権利証(登記識別情報)、固定資産税納税通知書、マンションの場合は管理規約や修繕履歴なども重要な書類です。これらをファイルにまとめ、一覧表を作成しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
おひとりさまの場合は、信頼できる専門家(税理士や司法書士)や、任意後見人候補者に書類の保管場所を伝えておく、または金庫や貸金庫を利用して安全に保管することをお勧めします。
遺言書の作成
持ち家をどのように処分するかについて、遺言書に明記しておくことをお勧めします。売却して現金化するのか、特定の人に相続させるのか、寄付するのかなど、自分の意思を明確にしておくことで、相続人の負担を軽減できます。
遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がありますが、確実性を重視するなら公正証書遺言が安心です。
自分らしい選択で安心できる終活を

終活における持ち家の問題は、一人ひとりの状況によって最適な選択肢が異なります。

大切なのは、元気なうちから将来を見据えて準備を始めることです!
私たちおひとりさま女性だからこそ、自分らしい選択ができるはずです。不安に思うことがあれば、専門家に相談しながら、納得のいく決断を下していきましょう。
住み慣れた家への愛着は理解できますが、時には手放すことが新しい人生のスタートになることもあります。前向きに、そして計画的に終活を進めていきたいですね。