「終活」と聞くと、年配の方が取り組むものと思われがちですが、実は40代こそ終活を始めるのに適した年代です。
将来の生活や親の介護、自分自身の老後について考えるタイミング。人生の折り返し地点ともいえる40代は、心身ともにまだ余裕があり、前向きな気持ちで将来の準備を始めることができます。
また、エンディングノートを通じて、自分の価値観や生き方を見つめ直すことができ、今後の人生設計にも良い影響を与えてくれるでしょう。
この記事ではエンディングノートに書くと良い項目や書く時のポイントについて解説します。

終活に組むきっかけにしてみてください!
エンディングノートとは?

エンディングノートは「終活ノート」とも呼ばれる、終活の際に自分の身の回りの情報をまとめておくために記載するノートです。
自分の死後に、周りの人が困らないように手続き関連や供養に関する自分の希望などを記載します。
エンディングノートと似た役割を果たすものに「遺言書」があります。二つの違いは、法的効力があるかないかです。遺言書には法的効力があり、記載方法も厳密に決められています。一方、エンディングノートには法的効力がないため、自由に記載できます。
書き手の自由度が高く、思いついたときに少しずつ記録していくことができるため、忙しい40代にも取り組みやすい終活アイテムとして注目されています。
エンディングノート|書き方のポイント

前述の通り、エンディングノートの書き方に決まりはありません。
自分の死後のことを考えると重い気持ちになってしまいがちですが、気楽にポジティブな気持ちで取り組むのがおすすめです。
とはいえ、自分の死後の事項も含まれるため、ポイントを押さえておくことも必要です。
ここからは書き方についてポイントを解説します。
作成する目的を考えノートを選ぶ
エンディングノートを書き始めるのにまず考えるのが、どのノートにするかです。
入手先は様々で、書店や文具店で購入できるもの、100円均一など安価で入手できるものもあります。さらに、無料配布されているものや無料でダウンロードできるもの、アプリなどで管理するものなども登場しておりその種類は多岐にわたります。中には全て手作りで自作する人も。
大切なのは、エンデイングノートに自分が残したい内容にマッチしているかです。
自分が亡くなった時の手続きが心配な方は、葬儀や供養、相続についてなどを詳しく記載できるものが良いでしょう。
また、自分が亡くなった後に周りの人が困ってしまう支払いや手続き関連についても記載しておけると安心です。
自分の人生をじっくり振り返り記録に残したい方には、自分の履歴・家系図・好きだったこと・大切な思い出など、人生の記録をしっかり残せるものもあります。他にも、お世話になった大切な人にしっかりとメッセージを残したい方もいるでしょう。

自分の残したい内容によって必要なテンプレートがあるノート選びをしましょう!
書ける項目から埋めていく
エンディングノートには書き方に決まりがないため、書ける項目から埋めていってOKです。
エンディングノートの内容はとても多く、考えたり調べたりしなければなかなか記載できない項目がたくさんあります。家族や大切な人に相談しておかなくてはならない大切な項目も。
すぐには記載できない場合が多いので、書きやすいところから書いていきましょう。
決められないことを無理に決めて書く必要はありません。記載しながら決めておかなければならないことなどに気付かされたり、自分の考えが整理されたりする効果も期待できます。
あまり堅苦しく考えすぎてしまうと、なかなか書き始められません。書けるところから気楽な気持ちで書き進めてみましょう。
自分の人生を見つめ直すために書く
エンディングノートには、自分史や自分の好きなこと、大切なことを記載する欄が設けられているものがあります。
このような、自分を見つめ直すような項目を記載する中で自分の人生を振り返ることができます。自分の人生を振り返る過程で、やり残したことや行きたかった場所、会いたい人を思い出せるかも知れません。
やり残したことを出来る残りの期間は人それぞれ。先延ばしにしすぎると残りの人生でやりたかったことができず悔いを残すかも知れません。
「エンディングノートを書くにはまだまだ早すぎる」とは思わず、若いうちから記載を始めておくのがおすすめです。
定期的に見直し書き直す
エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。
時間が経つごとに、新しい情報をどんどん書き足していく必要があります。家族や仕事、資産、大切な人や物、体調など…その時々で自分の考えや状況は変わっていきます。
書ける項目から記載していって後で何度書き直してもOK!

自分史を書き足していくようにどんどん更新していくことが大切です!
保管場所を検討する
エンディングノートを記載したら保管場所を決めて、信頼できる人に伝えておきましょう。

せっかく記載しても誰も存在を知らなければ意思が伝えられません。
とはいえ、個人情報など大切な項目がたくさん記載されているので、誰でも見つけやすいようにとあまりにもわかりやすいところに置いておくのはNGです。
信頼できる家族がいる場合は家族に伝えておくのがベストです。おひとりさまの場合は、エンディングノートを保管している場所を記載したものを、普段持ち歩くものと一緒に携帯しておくのはどうでしょう。
普段持ち歩くカバンや財布の中に入れておくと緊急時でもすぐに気づいてもらえるかもしれません。最近では、エンディングノートの保管サービスも登場しています。
目立たないけれど、いざという時に見つけられるようなベストな保管場所を検討しておきましょう!
エンディングノートに書くべき内容とは?

エンディングノートには多くの項目があります。
まずは自分にとって優先度の高いものから取り組み、徐々に内容を充実させていくのがおすすめです。
ここでは、特に40代から書き始める際に押さえておきたい主な項目を紹介します。
基本的なプロフィール
名前・生年月日・住所・連絡先・家族構成など、自分自身の基本情報を書いておきます。
マイナンバーや保険証番号、パスポートや運転免許証の情報など、日常生活で使う身分証明の記録もあると便利です。
医療や介護についての希望
延命治療の希望や、介護が必要になったときの考え方などを記しておくと、家族が判断に困りません。緊急連絡先や、かかりつけ医の情報、持病の有無、服薬している薬なども記しておくと、もしもの時に非常に役立ちます。
資産や保険に関する情報
預貯金・保険・不動産などの情報を整理しておくことで、相続時に混乱を防げます。銀行口座の一覧、保険の証券番号や加入先、年金の受給状況なども忘れず記入しておきましょう。ネットバンキングや証券口座、仮想通貨の情報も漏れなく記録することが重要です。
葬儀・お墓に関する希望
葬儀のスタイルやお墓のことなど、自分の希望を書いておくと、家族の判断が楽になります。音楽やお花、参列者への希望、宗教儀式の有無など、自分らしいセレモニーを実現するための具体的な要望も書き添えておくと良いでしょう。
デジタル資産の整理
SNSアカウント、ブログ、クラウドデータ、定期購読サービスなど、デジタル上に残っている情報の整理も重要です。ログイン情報や削除してほしいアカウントなどを明記しておくと、残された人が困らずに対応できます。
メッセージ
家族や友人へ向けた感謝の言葉や伝えたいことを記しておくことで、想いを届けることができます。言葉で伝えられなかった気持ちを残せるのが、エンディングノートの大きな魅力でもあります。将来読み返したときに自分自身の心を温めるものにもなります。
書き始めは「今の気持ち」からでOK
いきなりすべてを書こうとすると気が重くなることもあります。まずは今の気持ちや、これからやりたいこと、心配事などを自由に書いてみるのがおすすめです。大切なのは完璧を目指すことではなく、「少しでも書いてみる」こと。
例えば「これから行ってみたい場所」「今ハマっていること」「子どもや親に伝えておきたいこと」など、気軽に始められるテーマから書いていけば、自然とページが埋まっていきます。気分が乗ったときに書き足していくスタイルでも構いません。
すこしずつ見直しながら、自分だけの1冊を育てていきましょう。毎年誕生日や年末に書き直すなど、習慣化するのもおすすめです。
未来の自分と大切な人のために今できる終活を

終活は年齢に関係なく、自分らしく生きるための準備です。40代の今こそ、エンディングノートを通じて未来に備えるベストなタイミング。これからの人生をより豊かに、安心して過ごすために、一歩を踏み出してみませんか?
未来の自分への贈り物として、そして大切な家族への思いやりとして、エンディングノートは心強いツールになります。まだ早いと思わず、今日から少しずつ、できるところから始めてみましょう。