税理士によって相続税の金額が変わるって本当? シミュレーションツールを使うと真相が見えてくる

ネガ男くん
ポジ仙人。

今までの相続についての説明で「相続税に強い税理士さんを見つけることの大切さ」は何となく分かったんですが、税金の計算自体は誰がやっても一緒のはずですよね?

「税理士によって税金の金額が変わる」って言われてもいまいちピンと来ないんですよねー。

ポジ仙人
ホッホッホ。

もちろん税理士も魔法使いではないからの〜。

良い税理士に頼めば税金を安くしてもらえるというわけではない。

それに悪いことをしたら脱税という立派な犯罪になってしまう。

ただ、税理士が持っている知識や経験、そしてマインド(心構え)次第では大きく変わってくるのは本当じゃよ。

ネガ男くん
えぇ! そうなんですね!

その辺り、ぜひ詳しく教えてほしいです!

ポジ仙人
ホッホッホ。もちろんじゃよ。

たしかに「税金の計算だけ」なら誰でも同じ答えを出せるはずじゃが、税理士による腕の違いは「計算力」ではないんじゃよ。

その辺りのリアルな話は読者さんが寄せてくれた実体験エピソード「相続税に強い税理士とそうでない税理士に「これほどの差」があるとは……」を読んでもらうと分かってもらえると思うんじゃが、今回は実際に相続税のシミュレーションツールを使って分かりやすく解説していこうかの〜。

税理士によって違う「”自分の仕事”の範囲」

税理士によって税金の金額が変わる要因のひとつとして、「税理士によって異なる仕事の範囲」が挙げられます。

これはどういうことでしょうか?

まず、ざっくりではありますが、相続税申告において税理士さんと関わる流れを確認してみましょう。

※生前に相談しない方も多いので、人によって関わるポイントは異なります

この中で「税理士しかできない仕事」はどれだと思われますか?

それは「申告書の作成」です。
※自分で相続税申告するという選択肢もありますが、ほとんどの人にとっては非現実的な選択肢であるため、税理士に依頼することを前提として話を進めていきます。

実は税理士という職業は納税者の相続税申告を代行して行うことができる唯一の存在なのです。
※本来税金は「自分で申告」が原則となっています。ところが仕組みが複雑過ぎて現実的には不可能なため、税理士に依頼する人がほとんどなのです。

つまり、仮に司法書士やファイナンシャルプランナーなどに相続税申告の相談をしたとしても、どのみち申告業務は(多くの場合は提携先の)税理士さんに行ってもらう必要があります。

申告書の作成以外やりたがらない税理士もいる!?

あなたのお仕事で「良いお客さん」と聞いて思い浮かべるのはどんな人でしょうか?

例えばお店であれば「たくさん商品を買ってくれるお客さん」だったり、「長く通ってくれる常連さん」といった言葉が思い浮かぶかもしれません。

それでは相続税申告の税理士にとっての「良いお客さん」とはどんな人だと思われますか?

それは、「時間(手間)がかからず、きちんとお金を払ってくれるお客さん」です。

お金を払ってもらうのは当然なので、ポイントは「時間(手間)がかからない」になってきます。

相続税申告は「やること」は決まっているため、お店のように一度にたくさんの商品を買ってもらうことはできません。

また、同じ税理士さんに依頼をするのは多くても2〜3回になるため、常連さんができるようなビジネスでもありません。

そう考えていくと、「この通り書類を作ってください」と依頼してくれる人が多ければ多いほど税理士側は嬉しいわけです。

そのため、中には節税アドバイスや相談を省略して、「できるだけ早く書類を作成してしまいたい」と考えている人も少なからずいるのです。

お店でも「必要以上の接客はしたくない」と考える人もいますよね。

それと同様です。

ただ、「お店で商品を買う」のと「相続税申告を依頼する」のとでは大きな違いがあります。

なぜなら場合によっては数百万円〜数千万円もの資産を残せるか、または減らしてしまうかの違いが出てくるからです。

だからこそ大切なのが、「この税理士さんはどこからどこまでを”自分の仕事の範囲”と捉えているんだろうか?」を見極めることなのです。

二次相続まで考えられるかどうかで相続税額が大きく変わる

「相続が3代続くと財産はなくなってしまう」

これは相続の話でよく出てくるエピソードです。

実際、ゼロになるということは無いのですが、例えば5億円の資産を何の対策もせずに相続を繰り返していくと、3回目の相続時には数千万円(5分の1以下)まで資産価値が減ってしまう計算になります。

つまり、「相続する度に資産価値が目減りしてしまう」ということは事実なのです。
※資産額が多いほど税率が上がるため目減り幅は大きくなり、少ないほど税率が下がって目減り幅は小さくなりますが、それでも「目減りする」という事実に変わりはありません。

そこで資産の目減りをできるだけ少なくするために重要になってくるのが「二次相続の対策」です。

二次相続とは、「親の2回目の相続」のことです。

例えば先に父親が亡くなり、その後しばらくして母親が亡くなったと仮定してください。

この場合の父親が亡くなった時の相続を「一次相続」、母親がなくなった時の相続を「二次相続」と言います。

それでは、なぜ二次相続が重要になってくるのでしょうか?

メリットの大きい「配偶者控除」に潜む危険な罠

ご存知の方も多いかもしれませんが、配偶者には「配偶者控除」という非常に大きな控除制度が用意されています。

これは配偶者(主に夫を亡くした妻)がその後の生活に困窮せずに済むよう配慮された控除制度で、この制度を活用すれば配偶者は「1億6千万円または相続財産の1/2までを上限にどちらか多い方」まで全額控除を受けることができます。

配偶者の相続分が1億6千万円以内であれば相続税はかかりませんし、仮にそれ以上でも相続財産の1/2以下であれば相続税はかかりません。

仮に5億円の遺産のうち2億5千万円を相続しても相続税は1円も納めなくて良いということになります。

これだけ聞くと「税金払わなくて済むなら超お得じゃん!」と思われるかもしれませんが、注意が必要です。

配偶者控除は確かに目先の納税額を抑えることができるため、一見すると「節税できた」と思いがちですが、実際は「納税を子供世代に先延ばしにしただけ」になってしまう可能性があるのです。

また、先延ばしにしただけでなく、「子供世代で必要以上の相続税を払わなくてはいけない」という事態すらあり得ます。

そうです。これこそが「配偶者控除の危険な罠」なのです。

一次相続で「誰が相続するか」によって税額はこんなに変わる

では、一次相続の内容によって二次相続を含めた税額がどれだけ変わってくるのでしょうか?

それを実感していただくためにシミュレーションをしてみましょう。

今回は会計情報サイトのかいけいセブンで提供されている便利な相続税の簡易計算シミュレーションツールを使って試算していきたいと思います。
※試算額は目安ですので、あくまでも参考数値になります。

ここではシンプルに以下の条件で試算していきます。

相続の条件

  • 一次相続の被相続人(亡くなった人)は父親(夫)
  • 相続財産は1億円
  • 子供は1人
  • 母親(妻)は夫の財産以外に資産はないものとする
  • 配偶者控除以外の控除制度は考慮しない
  • 夫が亡くなってから妻は10年以上生きたこととする
  • 妻が亡くなった時点で資産の増減はなかったものとする

一次相続で配偶者が100%相続した場合

まずは1億円の相続財産をすべて配偶者(妻)が相続した場合を見ていきましょう。

一次相続では以下のようになります。

細かい計算は省きますが、一次相続で納めるべき相続税額は「770万円」となるものの、妻は配偶者控除が使えるため最終的には「0円」になります。

これは嬉しいですね。

続いて二次相続では以下のようになります。

一次相続では0円で済んだ相続税ですが、二次相続では「1,220万円」を相続税として納めなくてはいけません。

ちなみに相続税は原則「現金一括納付」です。

ということは、子供が相続財産、もしくは自分の現金・預貯金の中から1,000万円以上もの大金を納めなくてはいけないということになります。

結果、一次相続と二次相続の合計納税額は「1,220万円」ということになりました。

一次相続で配偶者が50%相続した場合

続いて配偶者が遺産の半分を相続した場合を見ていきましょう。

それ以外の条件はすべて同じです。

この場合の一次相続は以下のようになります。

ここも細かい計算は省きますが、一次相続で納めるべき相続税額は「385万円」になります。

配偶者は配偶者控除によって「0円」になるのですが、残り半分を相続した子供は相続税を納めなくてはいけません。

続いて二次相続を見てみましょう。

二次相続では母親が一次相続で相続した50%の遺産を相続することになります。

すると、納税額は「160万円」になります。

今回も100万円以上の納税をしなくてはいけませんので、金銭的にも精神的にも負担はかかるでしょう。

しかし、ここで一次相続と二次相続の合計納税額を見てみてください。

その金額は「545万円」です。

100%相続した場合の相続税の総額は1,220万円でしたので、この段階で675万円も節税できていることが分かります。

そこそこの高級車が買えてしまう金額ですね。

このように、一次相続の打ち手次第で、トータルの納税額は大きく変わってくるのです。

ちなみに「一次相続で子供がすべて相続(つまり妻の相続割合が0%)した方が得なのか?」というと、そうとも限りません。

その辺りは実際に相続税の簡易計算シミュレーションツールを使ってシミュレーションしてみてください。

そして、こういった税金の「差」について「知っている」のと「知らない」のとでは、家族の話し合いの内容や方向性、結果は大きく変わってくることは言うまでもありません。

様々なパターンを試算した上で相続について話し合いましょう

相続というのは人生でそう何度も経験するものではありません。

しかもほとんどの人が税金についての知識もないため、「何をどう考えたらいいのか?」が分からない場合がほとんどです。

そうなると人はどうしても目先の楽そうな方法だったり、感情を頼りに答えを出そうとしてしまいます。

「とりあえずお母さんが全部相続すれば税金も払わなくて済むし、実家を誰が継ぐかの答えも後回しにできる」

こういった考えに偏りはじめていたら黄信号です。

もちろんそれもひとつの選択肢なのですが、「複数の選択肢から最終的にそれを選ぶ」のと、「最初からその選択肢しか考えようとしない」のとでは事情が大きく違ってきます。

事実、当サイトの読者さんからも「税理士さんに複数の相続パターンを提案してもらったおかげで数百万円の節税につながった」というお声もいただいています。

相続は後々に「もっとこうしておけば良かった」と思ってもどうすることもできません。

また、国は節税のアドバイスをしてくれませんし、残念ながら同じ税理士でも全員が適切なアドバイスをしてくれるという訳ではありません。
※単に相続税申告の知識や経験が少ないという場合も多々あります。詳細を知りたい方は「なぜ? 相続税に詳しい・強い税理士が意外と少ない3つの理由」を参考にしてください。

だからこそ、あなたに必要なのは「あなたの立場になって寄り添ってくれる税理士さん」の存在です。

「税理士探し」と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、実は順を追ってポイントだけ抑えていけば誰でも良い税理士さんを見つけることができます。

必ずしもあなたが相続税について詳しくなる必要はありません。

要は「税理士選びに必要な知識だけ」を身に着ければいいのです。

「相続税の達人税理士」を見つけ出すことができれば、相続税申告の負担はかなり抑えることができるはずです。

探し方を学びたい方は、ぜひ「知識や時間がなくても大丈夫! 相続税に強い税理士が見つかる4つのステップ」を参考にしていただければと思います。

また、「本当に時間がないけど良い税理士さんを見つけたい!」という方は、「一発で「相続税に強い税理士」かどうか分かる究極の質問とは?」を参考にしていただくと良いかと思います。

良い税理士さんと出会うことができれば、「感情」と「理論」のバランスの取れた納得できる答えがきっと見つかるはずです。

あなたの相続の負担が少しでも和らぎますように。

本日も「ポジティブ終活」に来てくださってありがとうございました。

ネガ男くん
なるほどー!

確かに僕なら弟と「とりあえずお母さんに相続してもらえばいっか」って何となく決めちゃってそうな気がします。

結局それは大変なことを先延ばししてるだけなんですね。

しかも、たくさんの税金まで払う先延ばしなんて……

僕もこの機会に真剣に考えて親や兄弟と話し合ってみます!

ポジ仙人
ホッホッホ。

そこまで分かってくれたら言うことなしじゃ。

「選択」と「妥協」はまったく違うものだからの〜。

ぜひみなさんにも「選択」ができる立場になってもらえたら嬉しいの〜。

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