

実は先日テレビで生前整理や遺品整理の特集がやってたんですけど、そこで「実家の片付けは想像以上に大変ですから早めに進めましょう」って言われてたんです。
それで「ウチの実家ってどういう状態だったっけ?」と気になったので、実家に帰ったときに「ここを片付ける」っていう視点で実家を見てみたんですよ。
そしたら……


「これ絶対使わないでしょ?」っていう物が山ほどあるんですよ。
もう20年以上前に買って使ってないコタツとか……(苦笑)
親に「これもう使わないんだから捨てたら?」って聞いてみたんですけど、「まだ使えるのにもったいない」って全然捨てる気もないんですよね。

それに高齢になればなるほど物に恵まれない時代を生き抜いてきた人たちじゃから、「もったいなくて捨てられない」という人も多いんじゃよ。
家にスペースがあると「捨てずにとりあえず置いておく」ということができてしまうからの〜。
ついつい物が増えてしまうんじゃ。
自立して離れて暮らすことになった子どもの部屋が物置に変わってしまうというケースも少なくないからの〜。


高齢になると「たった1センチの段差」に足が引っかかって転倒事故を起こしてしまう可能性もあるんじゃよ。

そんな段差、僕の実家にはいくらでもありますよ(汗)

だから、ご両親が安全に暮らせるようにするためにも生前整理は早めにするのが良いんじゃよ。
それに大量の物を親御さんが亡くなるまで放置しておくと、亡くなった後の遺品整理で膨大なお金と時間がかかってしまうケースもあるんじゃ。
もしかするとこれをお読みいただいている方も、遺品整理で困っている方かもしれんの〜。

それは大変だ。さっそく近々実家に帰って断捨離しなくちゃ!

確かに物の整理は早いに越したことはないんじゃが、物事には何でも順序というものがあるんじゃ。
順序どおりに進めていかなければ生前整理も遺品整理も上手く進めることができんからの〜。
今回はその第1回目。
「準備・計画編 〜事前に家族で話し合う重要性〜」からスタートじゃ。
この記事を読んでくださっているということは、あなたもご家族、もしくはご自身の「生前整理」や「遺品整理」を始めようとされているのだと思います。
ただ、どちらも言い方を変えれば「片付け」ですので、「不要な物は捨てて、売れる物は売って物を減らせば良いんだから、その方法だけ知りたい」とお考えかもしれません。
ところが、その考えだけで片付けを始めてしまうと、それが引き金となって家族間で思わぬトラブルに発展してしまったり、大切な家族を傷つけてしまう場合もあるので注意が必要です。
あなた以外に身寄りがない場合を除いて、物の整理をスムーズに進めるためには「事前に家族で話し合うこと」がとても大切になってきます。
はやる気持ちを抑えて、まずはご家族と話し合うことから始めてみてください。
それでは早速、「家族で話し合いをしておくべき理由」や「話し合うべきポイント」についてご紹介していきましょう。
親の家の整理をする時は、必ず兄弟姉妹で話し合おう
ご兄弟がいらっしゃる方で親の生前整理、遺品整理をお考えの方は、事前に兄弟姉妹での話し合いをしておきましょう。
話し合いをせずに片付けを進めてしまうと、「残しておいて欲しかった想い出の品を勝手に捨てられた!」といったトラブルになり兼ねません。
少なくとも、以下のポイントは話し合っておきたいところです。
- 片付けをすることについての同意
- 片付けを手伝う意志があるかどうかの確認
- 片付けを手伝える範囲の確認
- 「処分(捨てる or 売る)していい物」と「残しておいて欲しい物」の確認
- 不用品処分に費用が発生した場合の費用負担について
離れて暮らしていたり、仕事や子育てに追われて時間がなかったり、家族と疎遠になっていたりと、理由は様々あると思いますが、誰か1人に負担がかかるケースが少なくありません。
金銭面でも不用品処分のためにお金がかかる場合もありますし、家に通ったり物を捨てに行ったりするための交通費も考えなくてはいけません。
片付けをする人ができる限り不公平にならないよう事前に決めておくことがポイントとなってきます。
また、中には「口は出すけどお金は出さない」という人が出てくる場合もあるでしょう。
家の片付けというのは本当に大変な作業であり、疲労やストレスも溜まりますし、家の広さや物の多さによっては数年に渡って時間がかかる場合もあります。
事前に兄弟姉妹とちゃんと話し合いができていないと、兄弟姉妹の何気ない一言がきっかけで、大喧嘩に発展してしまうことも珍しくありません。
「誰が何をするか(またはしないのか)」を決めておくことは、精神衛生的にもとても大切です。
兄弟姉妹でより良い話し合いをするために、当サイトでは兄弟姉妹のみなさんで以下の本をお読みいただくことをオススメしています。
「全員で読んでるヒマなんてない」という場合は、どなたか1人が読んでから内容を共有しても良いと思います。
まずは本屋さんで立ち読みしてるのも良いかもしれません。
この本では、親の生前整理や遺品整理を経験された15人のエピソードが紹介されているのですが、親と同居することになり片付け始めた方、亡くなった親の家を片付けることになった方など、シチュエーションは様々です。
ただ、どのエピソードをお読みいただいても、家を片付ける大変さをご実感いただけるかと思います。
中には家をすべて片付け終えるのに8年かかった方もいらっしゃいます。
どのエピソードもとてもリアルで、読み進めていると自然と「今のうちから何とかしていかないと」という気持ちが湧いてきます。
そして何よりも「今の内にもっと親を大切にしよう」「片付けを通して親と向き合おう」という気持ちになれる良書です。
正直なことを言えば、家の片付けは誰もが「できれば直視したくない問題」でしょう。
ただ、目を背け続けていても、いずれその現実から逃げられない日がやってきます。
むしろその時には「どうしようもない状態」になってしまっているかもしれません。
だからこそ、その現実をできるだけ早い内から兄弟姉妹で共有することが、片付けをスムーズに進める上で大切になってきます。

たしかに兄弟姉妹のいざこざは有り得そうだな〜。
それにみんなで協力して進められた方が早く正確にできるもんな。
よし! 僕も一度弟と話してみよ〜っと!
親に「片付けは親のためである」ことを伝えよう
生まれた頃から物に恵まれていた溢れていた若い世代の人には分かりにくい価値観だと思いますが、高齢者は物に恵まれずに育ってきた方が多いため、どうしても物をたくさん持とうとしがちです。
物によって豊かさを感じることができるんですね。
良く言えば「物持ちがいい」のですが、これが積み重なると家の中が不用品でいっぱいになってしまいます。
さらに高齢になると片付けることもでなくなり、家の中がゴミ屋敷化してしまうことも珍しくありません。
久々に実家に帰ったりビックリ……。
なんてことも実際にあるのです。
だからこそ早め早めに片付けをしたいのですが、「あなたにとっては不用な物であったとしても、親御さんにとっては必要(だと思っている)な物」というのが悩ましい所です。
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あなた:「これ捨てるけど良いよね?」
親:「それはまだ使えるんだから捨てなくて良いよ」
あなた:「でも使ってないでしょ?」
親:「今は使ってないけど、いずれ使うかもしれないし……」
あなた:「いつ使うか分からない物を取っておいてもしょうがないでしょ!? 実際ここ何年も使ってないんでしょ!?」
親:「でもまだ使えるんだから……」
あなた:「もう! そんな調子で全部取っておくからこんな物ばっかりになってるんでしょ!? 使ってない物は捨てる! いい!?」
親:「……うん」
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こんなやり取りになってしまい、なかなか思い通りに片付けを進めることができません。
また、お互いの性格によっては口論に発展してしまい、「お前に手伝ってもらわなくても自分でやるからいい!」と、片付けをするはずだったのが、「顔も合わせたくない」という仲になってしまうことも。
そうなると本来の目的が達成できなくなってしまいます。
そこで大切になってくるのが親御さんと「片付ける目的」を、事前にできる限り共有しておくことです。
※いくら共有できたと思っても、実際に物を処分するタイミングになると「捨てたくない……」という気持ちが出てきてしまいます。完璧を求めすぎないようにしましょう。
この目的が「親のためではなく自分(子ども)のため」だと、親御さんは前向きな気持ちになれない可能性があるのです。
例えば子どもの片付けの目的が、「後で自分が苦労したくないから」だったとしましょう。
親御さんからすれば、「自分が大変な思いをしたくないからって、私が残してきたものを処分するつもりなんだ」と思われてしまうかもしれませんよね。
その瞬間、あなたが好意だと思っていることは、一瞬にして悪意として捉えられてしまうかもしれません。
だからこそ目的を共有しておくことが大切になってくるのです。
遺品整理の場合は別ですが、親の家を片付ける真の目的は「親が安心安全で快適に暮らせるようにすること」に他なりません。
ここを間違えてはいけません。
不要な物につまづいて転んでケガをしてしまうことを防いだり、熱中症や食中毒などの日常の危険を防いだりと、親に残りの人生を1日でも長く快適に過ごしてもらうことが目的です。
なので、引っ越しや退去などの期限が決まっていない場合は、すべての物を片付ける必要もないのです。
時間をかけて、ゆっくりと片付けを進めていきましょう。

どうしても「自分が片付けるハメになるんだから」とか考えてしまっていたけど、何より大切なのは親の身体だもんね。
考えを整理して親と話し合ったら、もっと前向きな話し合いができる気がしてきたぞ!
自分の家の片付けをする場合は子どもに伝えておきましょう
最後はご自身の生前整理をする場合です。
この場合でも、お子さんの所有物や想い出の品がご自宅に残っているのであれば、事前にお子さんと話し合っておきましょう。
お子さんが親と離れて暮らしている場合、「捨てたくないけど自分の家に置けない物は実家に置いておこう」というパターンが多いと思います。
それを親が勝手に処分してしまうと、お子さんの怒りを買ってしまうことも。
片付けをする前にお子さんに連絡し、残しておいて欲しい物を確認してもらうようにしましょう。

もちろん「親のため」に!
まとめ
さて、今回は生前整理や遺品整理に取り組む上で大切な「準備・計画編 〜事前に家族で話し合う重要性〜」についてご紹介しました。
親の家の片付けをする、自分の家の片付けをする、など状況に違いはあったとしても共通して言えることがあります。
それは、「当事者に事前確認をせず、勝手に進めてしまうとトラブルになりやすい」ということです。
「家族なんだからそんな面倒なことする必要ない」「自分の家をどう片付けようが子どもには関係ない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一度トラブルに発展してしまうと修復が難しい場合も多々あります。
今まで言葉を交わさなくても理解し合えてきた家族だからこそ、人生の節目節目ではしっかり言葉を交わして意思確認をしておきたいものですね。

これは仕事でも夫婦でも友逹でも、同じことが言えそうですね!
しっかり意思確認さえできていれば、その後の行動でトラブルに発展することも少なくなりそうですし。
僕も片付ける前に、まずは親や兄弟と話し合ってみます!

ネガ男くんの言う通り、「大切なことは事前に話し合う」というのは良い人間関係を保つためにはとっても重要なことなんじゃ。
それに話し合ってみると意外な人が協力者として手を挙げてくれることもあるしの〜。
みなさんもこの機会に一度家族で話し合いをしてみてはいかがの〜?
次のステップでは、「生前整理・遺品整理の正しいやり方② 〜片付けに使えるサービスの選び方〜 【準備・計画編】」をご紹介したいと思います。