

そんな暗い顔をして。


ということは、ネガ男くんの中でも「終活の優先順位の考え方」がまとまってないんじゃな?

たしかにそんなこと考えてなかったかも……

終活に限らず優先順位を付けるというのは大切なことじゃからの。
では今回は「子供の目線から見た”親がやってくれていたら助かる”終活のまとめ」を紹介しよう。
昨今ではテレビを始めとするメディアの影響も手伝って、終活に取り組む人が増えています。
そして、終活を始めた理由でもっとも多いのが「家族に迷惑をかけたくないから」というものです。
「家族なんだから少しくらい迷惑かけてもいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「迷惑」にも2つの種類があります。
それは、
- 子供で何とかできること
- 子供ではどうしようもないこと
です。
1の迷惑は「もう、お父さん(お母さん)はしょうがないな〜」で済みますが、2は「どうしたらいいんだ……」と、半ば絶望に近い状態に陥ってしまいます。
ひとつ例をあげてみましょう。
終活の定番のひとつに「お墓を買う」というものがありますね。
生前に自分でお墓を買うのはもちろん良いことなのですが、お墓であればお子さん達が選ぶこともできます。
しかし、「葬儀に誰を呼ぶべきかのか?」は子供たちだけでいくら考えても答えが出せません。
その時に招待客のリストがあるのとないのとでは、子供の負担は大きく変わってくるのです。
この様に考えていけば、「子供のためを考えて優先的にやっておくべきこと」は自ずと見えてきます。
そこで今回は「子供の目線から見た”親がやってくれていたら助かる”終活のまとめ」についてご紹介していきたいと思います。
ご自身の終活をお考えの方はもちろん、親御さんに終活を勧めたい方もぜひ参考にしてみてください。
子供の目線から見た”親がやってくれていたら助かる”終活のまとめ
家の片付け(断捨離)をする
今住んでいる家を将来的に子供が継ぐ、もしくは売却する場合でも家の中のモノを片付けることが大切になってきます。
「子供たちが何とかするだろう」と思われている方もいるかもしれませんが、「家の中を片付ける」というのは体力的にも精神的にも金銭的にも相当過酷な作業です。
その過酷さを理解するためにも、ぜひ読んでいただきたい本があります。
本書では、「実際に実家の片付けをした15人の実体験エピソード」がまとめられており、どのエピソードも壮絶なのですが、中には「すべて片付け終えるのに8年もかかった」という方もいらっしゃいます……
その他にも兄弟姉妹との揉めた話や精神的に追い込まれてしまった話などが生々しく書かれています。
「まだ使えるモノを捨てる」ということに抵抗はあるかもしれませんが、それが原因で子供に大きな負担をかけてしまうかもしれません。
もちろん必要な物まで片付ける必要はありませんので、「長年使っていないもの」や「必要になったらまた買えばいいもの」などを中心に片付けていきましょう。
必要のない土地や家屋の処分
自宅以外に不動産を持っている家庭は少数派だと思いますが、もしお持ちの場合は「本当に持ち続けるべき不動産なのか?」を一度考えてみましょう。
ここ数十年で時代は大きく変わり、一昔前まで信じられていた「土地神話」はすでに崩壊してしまいました。
さらに人口減少の影響で不動産投資や運用は高リスクと言わざるを得ません。
今の日本には「売りたくても買い手がいなくて売れない不動産」が溢れており、この流れは今後さらに加速するでしょう。
また、かつては「親が建てた家に子供(主に長男)が住む」というのが一般的でしたが、都会に出る人や親と同居しない人達も増えたため、親が持っている不動産が必ずしも子供世代にプラスになるとは言えず、それどころか時には大きなマイナス要素になる可能性もあります。
「親の不動産は相続放棄しよう」と考えている人もいると思いますが、実は相続では「不動産だけ放棄する」ということはできないため、仮に相続財産をすべて放棄した場合、預貯金などの資産もまとめて放棄しなくてはなりません。
不動産については家族それぞれ「残したい」「売りたい」「住みたい」「活用したい」などの意見があるはずなので、「家族全員で答えを出す」という意識で、定期的に話し合っていくことが大切です。
また、話し合いの際には予め「イエイ不動産売却査定」という不動産売却査定サイトを活用して査定額を把握しておくと話し合いもスムーズに進められるでしょう。
延命治療についての考えを記しておく
親の延命治療を続けるか止めるかの決断をするのは子供にとって「答えのない究極の選択」です。
「延命治療はしなくていいって子供に伝えてるから大丈夫」という人もいるかもしれませんが、普段の会話で伝えられていても、いざその場面になるとなかなか決断できないものです。
例えば女優の秋野暢子さんのお話が良い例ではないでしょうか。
秋野さんはお母様が亡くなられる直前にお医者さんから「延命治療を続けるかどうかの決断」を迫られ、悩みに悩んだそうです。
最終的には延命措置を止めてもらい、お母様は息を引き取ったそうですが、それからしばらくは「あれで良かったんだろうか……」と悩まれたそうです。
そんな秋野さんですが、実は秋野さんのお母様は生前に延命措置は希望しない旨を書いた日本尊厳死協会のカード(リビング・ウィル)を用意されていたそうです。
それでもこれだけ悩むのですから、言葉で伝えただけでは不十分ということがお分かりいただけるかと思います。
「記しておけば大丈夫」というわけではありませんが、形にしておくことでお子さんの肩の荷を少しだけ下ろしてあげることに繋がるでしょう。
葬儀についての希望・要望をまとめておく
親が亡くなってから、まずやらなければいけないのが葬儀の手配です。
多くの人が親が亡くなったときに初めて葬儀の手配をすることになるため、右も左も分からない中で進めていくのはとても大変です。
また、葬儀は「自分ではどうしようもないこと」の要素が多いため、親が生前に準備してくれていると子供は慌てることなく進めることができますし、「あの時は何も考えられなかったけど、今思えばもっとしてあげられたことがあったなぁ……」といった後悔も少なくなります。
では、実際にはどんなことを決めておけばいいのでしょうか?
どの業者に頼むのか?
事前に業者が決まっていればすぐに連絡できますし、業者側もスムーズに対応することができます。
祭壇や棺など、ある程度のプランを決めておけば子供を「答えのない問い」から解放してあげることができます。
どんな葬儀が良いのか?
葬儀のスタイルにも希望があれば葬儀業者や子供に事前に伝えておくことをおすすめします。
一般葬がいいのか、家族葬がいいのかなど、予め希望が分かっていれば迷わず準備を進めていくことができます。
誰に連絡すればいいのか?
親の人間関係を子供がすべて把握することは難しいため、「誰に連絡をするのか」「誰を葬儀に誰を呼ぶのか」は事前に記しておきましょう。
親戚や知人の中でも次第に義理や付き合いの関係がなくなっていく場合も多々あります。
親と当事者は何となく「そろそろ義理も終わった頃だ」と思っていたとしても、子供がその曖昧な人間関係を理解するのは至難の業です。
ぜひ事前にリストを作成しておきましょう。
金融機関の口座情報をまとめておく
親が亡くなった後、遺族がやることのひとつに「金融機関口座の名義変更」があります。
この時に親が利用していた金融機関口座が分からないと、どこに連絡をしていいのかが分かりません。
また、相続税を支払うだけの資産をお持ちの場合は、さらに注意が必要です。
相続税申告・納付期限が経過した後で新たに預金のある金融機関口座が見つかった場合は、遺産分割協議をやり直したり、税金を追納しなくてはいけません。
これは体力的にも精神的にも想像以上の負担がかかりますので、「知識や時間がなくても大丈夫! 相続税に強い税理士が見つかる4つのステップ」を参考に優秀な税理士さんを見つけ、抜け漏れがないかしっかり確認してもらいましょう。
不要な金融機関口座を解約しておく
先ほど「親が亡くなった後に金融機関口座の名義変更をしなくてはいけない」と説明しましたが、この手続きはかなりの手間がかかります。
まず提出する書類がたくさんある上に、金融機関によって提出書類が異なるため、毎回電話か店舗へ行くなどして必要書類を確認しなければなりません。
ちなみに一般的には、
- 預金通帳・キャッシュカード
- 金融機関指定の相続届
- 名義変更届
- 親の戸籍謄本
- 相続人(例えば配偶者や子供)全員の戸籍謄本
- 相続人(例えば配偶者や子供)全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書
などが必要になってきます。
また、書類には相続人全員の記名押印が必要になるため、例えば相続人が4人いれば、毎回4人分の記名押印をしてもらわなければいけません。
それだけでも時間がかかる上に、金融機関は基本的に平日しか窓口が開いていないことが多いため、仕事を休むなどして手続きしなければいけません。
金融機関によっては郵送でのやり取りも可能ですが、その分時間はかかってしまいます。
「たった5,000円の預貯金を振り込んでもらうためにたくさん書類を書かされて疲れてしまった」というのも決して珍しい話ではないのです。
そうならないためにも、少額の預金しか入っていない不要な口座などがあれば、今のうちに解約しておきましょう。
生命保険や医療保険、がん保険などの情報をまとめておく
生命保険などの保険証券は一箇所にまとめて保管しておきましょう。
保険金というものは、保険会社が勝手に支払ってくれるわけではないため、必ずこちらから請求する必要があります。
そのため、どの保険に加入していたのかが分からなければもらえるはずだった保険金がもらえない可能性もあります。
また、生命保険以外にも損害保険や火災保険など、保険関係の書類はまとめてファイリングしておきましょう。
ムダな保険を解約、または見直しておく
日本人は世界でもっとも「保険が大好きな国民」です。
どれほど好きなのかは、データを見れば一目瞭然。
2011年のデータでは、日本の約3倍の人口がいるアメリカと生命保険料の総額はほぼ同額で世界2位となっているほどなのです。
驚くことに、世界のたった2%の人口規模しかない私たち日本人が、世界の生命保険料の約20%を負担しているという計算になるのです。
そもそも、日本にはアメリカと違って素晴らしい「国民皆保険制度」があり、医療費が高額になった場合は「高額療養費制度」もあるため、一定額以上の医療費を払う必要もありません。
それにも関わらず、さらなる安心を買うために日本人はこぞって保険に入っているのです。
単純計算すれば、現状の3分の1以上抑えても何ら問題ないという人が多いのではないでしょうか。
ほとんどの人はネット専門保険で、子どもが自立するくらいまでの年数で「家族の人数 × 1000万円」くらいの死亡保障だけのシンプルな保険に入れば十分なはずです。
また、がん保険や医療保険に入るなら、その分を貯蓄して定期的に人間ドックやがん検診を受けていた方が安心という人も多いでしょう。
ちなみに人間ドックを予約する際は「MRSO(マーソ)」を上手に活用しましょう。
マーソは全国で957の施設が掲載されている日本最大級の人間ドック・がん検診予約サイトで、マーソで予約をすると最大4%のTポイントが付与されたり、医療機関によっては事前にクレジットカード払いもできるので、クレジットカードのポイントを貯めることもできるのでおすすめです。
ゴルフやリゾートなどの会員権を整理しておく
趣味や仕事の付き合いでゴルフ会員権やリゾート会員権をお持ちの方も多いと思いますが、子供のことを考えるのであれば早めに返還や売却をしておきましょう。
もちろん子供が欲しがっている場合は別ですが、そうではない場合は残念ながら負担にしかなりません。
金融機関口座の時と同様、名義変更のためにたくさんの書類を書かなければいけないですし、区分所有のリゾート会員権であれば登記変更手続きも必要になります。
もちろん登記変更費用(数万円〜)は遺族が支払うことになりますし、売却できなければ毎年管理費を支払い続けなければいけません。
「売りたくても売れない。さらに毎年ムダなお金が出ていく」
このストレスは相当なものです。
子供に負担をかけないためにも、早めに整理しておくことをおすすめします。
相続について家族で話し合っておく
「相続のことは子供たちが話し合って何とかするだろう」
こう思われている方もいるかもしれませんが、この考え方には注意が必要です。
なぜならこのパターンだと相続争いに発展してしまう可能性が高くなるからです。
では、なぜ相続争いに発展してしまうのでしょうか?
それは子供たちがあまりにも「情報不足の状態」で相続を迎えることになるからです。
当然ですが、親が子供に説明しない限り、子供が親の資産を把握することは不可能です。
そしていざ相続のタイミングになって子供たちは初めて現実に直面し、「想像すらできなかったこと」と向き合うことになるのです。
預貯金の残高、金融資産、土地建物などの不動産、はたまた借金などなど……
「そんなの遺言書を書いておけば大丈夫だろう」と思う方もいるかもしれませんが、親の考えと子供の希望というのは必ずしも一致しないものです。
だからこそ大切なのが「話し合うこと」になってきます。
※重要性について知りたい方は「お金をかけずに「相続争い」を避ける”最良の方法”がある。でも……」をお読みください。
せっかくの家族が仲違いしてしまうことのないよう、ぜひこのタイミングから話し合いを始めてみてください。
相続税対策をしておく
一定額以上の資産がある方は、遺産を相続した子供(や配偶者)が相続税を支払う必要が出てきます。
そもそも相続税は日露戦争の戦費を調達するために導入された税金であり、世界的に見れば非常識とも言える税金です。
※詳細は「「相続税の歴史」と「世界の相続税」を知れば、誰もが節税対策したくなる」で紹介しています。
国が定めた税金なので、もちろん脱税してはいけませんが、「本来払わなくても良かった税金」まで払う必要もありません。
また、国は「税金が安く済む方法がありますよ」とは教えてくれません。
大事な税収が減ってしまうようなことをするはずがないのです。
つまり、対策はすべて自分で進めていく必要があるということです。
とは言え、「税金のことなんて難しくて分からない」という方も多いでしょう。
だからこそ多少のお金をかけてでもプロの税理士さんの力を借りましょう。
「税金はトータルで払うお金をどれだけ抑えられるのか」が肝心ですので、プロに頼んだ方がお金だけでなく、時間も節約できることになります。
ただし、「税理士であれば誰でも良い」ということはなく、税理士選びを間違うと後々大変なことになる可能性もあります。
税理士さんは必ず「相続税に強い税理士」を選ぶようにしてください。
税理士選びの方法は「知識や時間がなくても大丈夫! 相続税に強い税理士が見つかる4つのステップ」でご紹介していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
借金がある場合は事前に伝えておく
「相続について家族で話し合っておく」でも少し触れましたが、もし借金がある場合は事前に家族に打ち明けておきましょう。
住宅ローンであれば団信(団体信用生命保険)によって残債が全額弁済される人がほとんどだと思いますが、それ以外の借金は相続争いの大きな火種になってしまいます。
なぜなら相続の際に「借金だけ相続放棄する」ということはできないからです。
※「限定承認」という方法もありますが、資産額によって税法上の注意点もありますので、税理士さんに相談されることをおすすめします。
なかなか打ち明けにくいことだと思いますが、心から家族を想うのであれば、そこは勇気を持って早めに告白すべきです。
早ければ早いほど家族からの協力や債務整理など、何かしらの対策をすることができるからです。
ぜひこの機会に勇気を出してみてください。
遺言書を書いておく
延命治療についての章でも書きましたが、「口頭で伝えてあるから大丈夫」という考え方は、時に大きなトラブルや家族間での争いに繋がってしまう可能性があります。
だからこそ「きちんと記しておくこと」が大切なのですが、遺言書はその最たるものでしょう。
ただし、遺言書で相続について触れるのであれば、親の一方的な考えを書き記すということはおすすめできません。
先ほども挙げた通り、基本的には「普段から家族で話し合うこと」が大切です。
遺言書ではその話し合いで決まったことをベースとして、あとはパートナーやお子さん、お孫さんへの想いを書き記すという形がおすすめです。
一般的な遺言書には大きく分けて3つの種類があります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
この中で1の「自筆証書遺言」は自分で作成する遺言書のことですが、日付や住所の書き方などに不備があると遺言書が無効になってしまったり、家族の中に「本当に自筆なのか?」と疑う人が出てきてしまった時に争いに発展してしまう可能性があるなど、期待していた遺言書としての機能を果たせないことがあります。
なので、もし遺言書を書く場合は多少の費用をかけてでも「公正証書遺言」もしくは「秘密証書遺言」にしましょう。
また、遺言書は何度でも書き直せますので、その時々の状況に合わせて更新していきましょう。
まとめ
以上が子供の目線から見た「親がやってくれていたら助かる終活」のまとめです。
もちろんこれがすべてではありませんが、お子さんの負担をかなり減らすことができるはずです。
「負担が減る」ということは、「現実としっかり向き合う時間が取れる」ということでもあります。
「”自分ではどうしようもないこと”に追われて慌ただしく時間が過ぎていく」のか、それとも「”自分で何とかできること”に対応しながら亡くなった親と対話しながら過ごす」のか。
どう過ごしたとしても時間は同じ時間です。
どちらか一方を選べるとしたら、みなさん後者を選ぶのではないでしょうか。
今からできる小さなことから、はじめてみませんか?

- 子供で何とかできること
- 子供ではどうしようもないこと
この2つに分けて考えるってとっても分かりやすいですね!
実際、僕や兄弟で力を合わせてもどうしようもないことばかりでした。
まずはこれをベースにして親とも話し合ってみたいと思います!

しっかり整理できたようで良かったの〜。
それに終活を通して親子の絆がより強いものになることも珍しくない。
終活は「家族が今まで以上にお互いのことを知る」という営みでもあるからのう。
ぜひみなさんもこのまとめを参考に終活に取り組んでくれたら嬉しいの〜。