

いつもに増して暗い顔をしておるぞ?笑

実は父親と「相続税に強い税理士さんを探そう!」という話になったんですけど、いざ探そうとすると、どうやって探せばいいのか全然分からなくって……
具体的な探し方を教えてもらうことってできないですか?

ホッホッホッ、もちろんお安い御用じゃよ。

相続税の知識がない僕でも大丈夫ですかね?

もちろん相続税の勉強をするに越したことはないが、例え知識がゼロでも、ちゃんとコツさえ掴めば誰でも良い税理士さんを探すことができるからの〜。

さすがポジ仙人!
じゃあ、出し惜しみしないで早く教えてくださいよ〜!

では今回は「相続税申告に最適な税理士の探し方」というテーマで解説していこうかの。
もしかするとあなたもネガ男くんのように、「どうやって税理士さんを探せばいいのか分からない……」とお悩みなのではないでしょうか?
しかし、ご安心ください。
なぜなら、あなたに限らず、みんながみんな同じ悩みを抱えているからです。
だって考えてもみてください。
普通に生活していて、相続税の勉強をする機会なんてありませんよね?
ですから、悩むのは普通のことなんです。
ただ、だからと言って「そのままでも良いのか?」となると、残念ながらそうではありません。
ここで今回ご紹介する情報を知っているか、知らないのかで、その後の税理士選びが大きく変わってきます。
税理士選びを間違うと何が問題かと言えば、一番大きな所では「余分に税金を払うことになってしまう」ということでしょう。
また、「後々に申告漏れやミスが発覚し、追徴課税されてしまう」といったリスクもあります。
もし遺産総額が多ければ、数百万〜数千万円単位の金額になってきますので、「”なんとなく”税理士選びをしてしまうことが、どれだけリスクなのか」がお分かりいただけるのではないでしょうか?
ところが実際は、ほとんどの方がこんな理由で税理士さんを選んでしまっています。
- 大手の事務所だから
- 実績がありそうだから
- 近所で評判が良いから
- ◯◯さんもやってもらったから
- 知り合いにオススメされたから
- HPがしっかりしているから
- 費用が安いから
ところが悲しいことに、これらはすべて「不確実な要因」です。
厳しい言い方をすれば、これらを基準にしている限りベストな税理士さんを見極めることはできません。
だからこそ、「正しい税理士選びの基準」を身に着けていただく必要があるのです。
あなたも今回ご紹介する「相続税申告に最適な税理士の探し方」を上手く使って、ベストな税理士さんを見つけてくださいね。
もくじ
STEP1. ”ポイントとなる知識だけ”を身につける
まず大事なのは、最低限の知識をつけることです。
「知識をつける」と聞くと、「勉強って苦手なんだよな〜」と思った人もおられると思います。
ただ、ここでいう知識とは何も「相続税法を熟知しましょう」ということではありません。
それはプロである税理士さんの仕事ですから、あなたが相続税についてプロ並みに詳しくなる必要はないのです。
ただ、最低限の知識を持っておかなければ「見極める」ということができません。
それはなぜでしょうか?
例えばこんな分かりやすい例を出しましょう。
まずはこれを見てください。

あなたもきっとご存じですよね?
店舗数、売上ともにダントツで日本一のコンビニ、「セブンイレブン」です。
では、ここで質問です。
このロゴの最後の「N」だけ小文字の「n」になっているのをご存じでしたか?
いかがでしょう? 「知らなかった……」「気にしたこともなかった……」という方も多いのではないでしょうか?
ちなみにこの文字だけ小文字になっている理由は、セブンイレブン側も昔のこと過ぎて真実は分からないそうです(笑)
「デザインの見栄えを良くするため」「商標登録の問題で致し方なく」といった説が有力なようですね。
それはさておき、あなたは今の今までこの事実に気づくことができませんでした。
何度もこのロゴを見ていたはずなのに、実際は見えていなかったのです。
この理由は簡単です。
それは、「”N”じゃなくて”n”になっているという知識が無かったから」です。
しかし、知識をつけた後ならハッキリと分かるようになったはずです。
試しにもう一度ロゴを見てみてください。

あなたにもハッキリと「n」が見えたはずです。
他にもサントリーのロゴもそうなんですよ。
今回はノーヒントで探してみてください。

今回は分かりましたよね?
「u」と「n」が小文字になっています。
文字にすると「SunTORY」なんですね。
※「s」と「o」も小文字で、「sunToRY」という話も。
これも知識さえあれば、ロゴを見るたびに「小文字と大文字が入り混じっている」ということに気づけるようになります。
不思議ですよね。
知っていれば見える、知らなければ見えない。
言うなれば、「知識」とは「リトマス試験紙」のようなものなのです。
リトマス試験紙は液体に入れるだけで、酸性かアルカリ性かを変色後の色で教えてくれる紙のことです。
これと同様に、相続税の知識をつけることで、あなたも気づけるようになるのです。
もっと具体的に言えば、「税理士さんが、4つのどのタイプに当てはまるのか?」に気づけるようになるんですね。

相手の税理士さんからすればドキドキものです。
なぜなら知識を持っている相手は「やりにくい」と感じるからです。
これは続税に限った話ではありませんが、知識のない素人ほどやりやすい相手はいないですからね。
ところがベテランや達人の税理士さんはそんなことは気にしません。
むしろ、「ちゃんとした”目”を持っているなら、その方がやりやすい」と思うでしょう。
※あなたの知識が間違っていたり、(伝聞など)中途半端な場合はかえってやりにくくなりますが……。
なぜなら小細工などせずに、自分ができること、今までやってきたことを伝えれば良いだけだからです。
だからこそ、あなたがまず最初にすべきことは必要最低限のポイントとなる知識を身につけることなのです。
ただ、そうは言っても人によって境遇が違います。
「時間に余裕がある人」もいれば「時間に余裕のない人」もいるでしょう。
そこで続いては、2パターンの人に合った知識の付け方をご紹介したいと思います。
時間に余裕がある人は、まず本で学ぶ
まず、時間に余裕がある人の中でも、以下の2パターンに分かれるかと思います。
- 生前に相続税対策を考えている人
- 10ヶ月の相続税申告&納付の期限まで時間がある人
どちらの場合でも、まずは本を読んで相続税に関する基礎知識を付けるのが最短の道になります。
そうは言っても「税金」と聞くだけで、真っ先に「難しそう……」という言葉が思う浮かぶ方も多いでしょう。
そこで、最初はとにかく「読みやすさ」を重視しましょう。
その点でオススメなのが「磯野家の相続」です。
相続税の勉強をしていると、聞きなれない専門用語がたくさん出てくるため、一般的な解説書を読んでいてもなかなか理解することができません。
「被相続人が配偶者に対して」と説明されても、知識がなければ「それって誰のこと?」となってしまうんですね。
しかし、この本はあの国民的アニメ「サザエさん」の磯野家を舞台に、相続税の話を分かりやすく解説してくれている良書です。
「波平がフネに対して」と説明されれば、誰でもすんなりイメージすることができますよね。
そういう意味で、この本は「相続税の基礎知識を手軽に抑えるための入門書」と言えるでしょう。
ちなみにこの本はもともと「磯野家の相続」がベストセラーになったのですが、平成27年(2015年)1月から相続税改正されたため、その内容を反映したのがこの最新版です。
もちろん本の中では税金の計算方法や不動産の評価方法など、難解な説明も出てきますが、あなたはそれを熟知する必要はまったくありません。
「あっ、こういう節税方法があるんだ」
「これをやったら税金を余分に払わないといけなくなるのか」
これくらいのことが理解できれば十分です。
後のことは税理士さんに相談するわけですからね。
肩の力を抜いて、まずはこの本で基礎知識を身に着けましょう。
そして、時間に余裕があれば、ぜひ読んでおきたい本がもう一冊あります。
「子どものために、自分(もしくはパートナー)の相続対策を考えたい」
とお考えの方には、こちらの本を読みましょう。
これを読めば「親の視点」でやるべきことがまとめられているため、「何から始めればいいのか分からない」という状態から抜け出すことができるはずです。
逆に「親の相続対策を手伝いたい」とお考えの方には、こちらの本を読みましょう。
「磯野家の相続」と合わせて、この内のどちらか1冊を読めば、相続税に関する基本的な知識を付けることができるはずです。
そうすれば税理士さんと話してもある程度専門的な会話ができるようになっているでしょう。
どちらの本も新品で買うと2,000円以上の投資になってしまいますが、それで数百万〜数千万円も余計なお金を払わずに済むのであれば安いものです。
また、時間に余裕がある人も次に紹介する知識も必須になりますので、そのまま読み進めてください。
時間に余裕のない人が最低でも読んでおきたい記事3選
「すぐにでも税理士さんを決めないといけないのに、本を読んでる時間なんてないよ!」
という方もいるでしょう。
ですが、ご安心ください。
相続税についての知識はなくとも、ひとまず「相続税に強い税理士を選ぶための最低限の知識」だけを身につければ税理士選びはできるからです。
食で例えるなら、「食材や料理についてはまったく無知だけど、良いシェフの見極め方だけは知っている」という状態になればいいんです。
「美味しい料理を食べること」が目的であれば、あなたが食材や料理についてプロ並みに詳しくなる必要もありませんよね。
実際にシェフを見極めるのは大変だと思いますが、税理士に関してはそうでもありません。
必要な情報はHPに掲載されていますし、実際に会って話を聞くこともできるからです。
そこで、最低限の知識を得るための3つの記事をまとめていますので、それぞれ順番に読んでみてください。
という方は、3の「この税理士は相続税を極めている」と分かる達人税理士の7つの特徴だけでも読んでみてください。
そうすれば相続税のプロの税理士の条件が分かります。
後はその条件に近い人を探していけば、自ずと良い税理士さんが見つかるというわけですね。
STEP2. 税理士事務所をリストアップする
続いては候補となる税理士事務所をリストアップしていきましょう。
この段階ではあまり深く考えすぎずに「相続税に対応している税理士事務所を探そう」くらいの心構えでOKです。
まずは全体像を掴むことが大切ですからね。
できるだけたくさんの税理士事務所を探すためにも、以下の2つの方法を使ってみてください。
1. インターネットで検索する
まずは王道のネット検索です。
「地域名 相続税」
「地域名 相続税 税理士」
などのキーワードで検索してみましょう。
その地域に対応した税理士事務所のホームページが出てくるはずです。
それらをひとつずつ開き、
- 税理士事務所(もしくは税理士さん)の名前
- ホームページのURL
- 事務所の場所
などをメモしていきます。
URLはメモしにくいので、Excelなどにまとめていくのがオススメです。
2. 無料の税理士紹介サービスを使う
税理士さんの中にはホームページを持っていない人もいるため、漏れなくリストアップするためにも税理士紹介サービスを活用しましょう。
税理士紹介サービスは無料で条件(地域や業務内容)に合う税理士さんを紹介してくれます。
「紹介してもらったら断りにくいんじゃ……?」
と思う人もいるかもしれませんがご安心ください。
なぜなら、すでにSTEP1であなたの頭の中には「税理士選びで決め手となる条件」が確立されていれているからです。
「条件を満たす人であれば会って話してみる。満たしてなければ断る」
それだけのことです。
地域によっては紹介してもらえる税理士さんがいない場合もありますが、それもそれでOKです。
先ほども言いましたが、ここで大切なのは「全体像を把握すること」だからです。
そこで、以下の2つのサービスを活用して税理士さんを探してもらいましょう。
税理士ドットコム(東証マザーズ上場企業「弁護士ドットコム」が運営しているサービス)
税理士紹介エージェント(面談&審査を通過した税理士だけが登録されているサービス)
もちろん、「相続税に強い税理士さんを紹介してください」の一文だけでも良いのですが、できるだけ最初に細かい情報を伝えておきたい方は「そのまま使える! 税理士ドットコムなどで相続税の税理士紹介を依頼する時の例文(雛形)」の例文をお使いください。
税理士ドットコムは税理士や税理士事務所の詳細なプロフィールやホームページ情報などを送ってくれるので、リストに追加していきましょう。
一方、税理士紹介エージェントは面談まで繋げてくれるサービスですので、基本的に税理士事務所の情報だけもらうということはできません。
プロフィールを見て気になる税理士さんがいれば、STEP4の面談へ進めてもらいましょう。
知り合いや近所の人に聞く場合は少しだけご注意を
税理士探しの定番で、「知り合いや近所の人に聞く」という方法があります。
「義父が亡くなった時は◯◯税理士事務所にお願いしたよ」という情報を教えてくれる人もいるでしょう。
ただ、ここで気をつけたいのは「安易に税理士さんを紹介してもらうと断りにくくなってしまう可能性がある」ということです。
もちろん税理士さんの情報を聞くだけであれば良いのですが、実際に会ったり、電話で話すと、「せっかく◯◯さんが紹介してくれた人だし断るのは申し訳ないな……」という気持ちが芽生え始めます。
本当は自分の家族にとって最適な税理士さんを探すのが目的だったはずなのに、知人やご近所さんとの人間関係が邪魔をしてしまう可能性があるんですね。
そういう状況にならないためにも、「自分で探す」もしくは「知り合いや近所の人から聞くのは事務所や税理士さんの情報だけ」とするのがオススメです。
STEP3. リストアップした税理士事務所をチェックする
続いてはリストアップした税理士事務所をひとつずつチェックしていきます。
チェックポイントは「この税理士は相続税を極めている」と分かる達人税理士の7つの特徴でご紹介した7つに加えて「場所(立地)」と「初回相談の料金」を加えた9つです。
「場所(立地)」に関しては出張対応してくれる税理士さんもいますが、申告のためには何かと書類のやり取りも必要になってくるので、できるだけ自宅(もしくは職場)から近い事務所を選ぶことをオススメします。
また、「初回相談の料金」は事務所によって異なります。
「初回相談のみ60分無料」といった形を取っている事務所もあれば、「1時間◯万円」と有料設定している事務所もあります。
初回の1回だけとは言え、時間とお金がかかるので、しっかりチェックしておきましょう。
- 相続税に特化しているか?
- 費用(報酬)が安すぎず適正価格か?
- 税理士が最後まで担当してくれるか?
- 節税アドバイスはしてくれそうか?
- 申告漏れがないようにチェックしてくれそうか?
- 不動産の現地調査をしてくれるか?
- 書面添付制度を使ってくれるか?
- 事務所の場所は自宅から近いか?
- 初回相談の料金はいくらか?
ホームページに記載がない項目に関しては電話やメールで問い合わせてみるのも良いでしょう。
そうすると自分にある選択肢の全体像が見えてきます。
この表を見ながら家族で話し合えば、「誰と面談すべきか?」も見えてくるはずです。
STEP4. 税理士さんと面談をする
ここまで来たら税理士さんもだいぶ絞られているはずです。
「あとは実際に会ってみて決めよう」
これくらいの心持ちになっているのが理想です。
また、あなたはすでにSTEP1で相続税に関する最低限の知識を身に着けていますので、面談の場でも税理士さんとある程度の専門的な話ができるはずです。
あなたの言葉の端々から「いろいろ勉強して来た人なんだな」というのが税理士さんにも伝わるでしょう。
ここで最後に口頭で確認しておきたいのは以下の5つのポイントです。
- 税理士が最後まで担当してくれるか?
- 節税アドバイスはしてくれそうか?
- 申告漏れがないようにチェックしてくれそうか?
- 不動産の現地調査をしてくれるか?
- 書面添付制度を使ってくれるか?
※その理由を知りたい方は「一発で「相続税に強い税理士」かどうか分かる究極の質問とは?」をご覧ください。
そして最後の最後は、税理士さんの「人柄」を見ましょう。
- 親身に話を聞いてくれるか?
- 一方的に遺産分割方法を押し付けてこないか?
- 丁寧な対応をしてくれそうか?
などなど。
いくら知識や経験、実績がある税理士さんであっても最後は人と人との付き合いですので、人柄に疑問を感じたらその直感を信じた方が良いかもしれません。
特に自分の意見を一方的に押し付けてくる人は注意が必要です。
相続は「争族」や「争続」とも言われるように、損得勘定だけで遺産の分割方法を決められるものではないからです。
家族それぞれの想いや価値観が入り組んだ複雑な課題、それが「相続」です。
そこに配慮することなく、単に計算式だけを押し付けてくる税理士さんには依頼をされないことをオススメします。
「ぜひこの人にお願いしたい」
最後の最後に大切にしたいのは、心からそう思えるような税理士さんかどうかです。
ポイントさえ抑えれば、きっと良い税理士さんと出会えます
今回紹介した「相続税に強い税理士を見つける4つのステップ」ですが、もう一度要点だけをまとめると、以下の通りとなります。
- 相続税の税理士選びに必要な最低限の知識を身につける
- 税理士事務所をリストアップする
- リストアップした税理士事務所をひとつずつチェックする
- 実際に税理士さんと会って人柄を見る
さて、この中でカギとなるのは一体どこでしょうか?
それはSTEP1の「知識」です。
知識と言っても相続税の深い知識というわけではなく、「税理士選びに必要な知識」であることがポイントです。
特に「相続税の税理士選びで失敗したくない!」という方は、この3つの記事だけは抑えておきましょう。
相続税申告の税理士探しをしているということは、おそらく大切なご家族を亡くされたばかりだったり、もしもの時のための準備をされているタイミングかと思います。
人によっては悲しみの中から抜け出せず、勉強をしたり税理士探しをしたりする元気がない方もいらっしゃるでしょう。
「そうは言っても何とかしないと……」
そんな境遇の方が「できるだけ時間と労力をかけることなく、最短で良い税理士さんを見つけていただく方法」をまとめたつもりです。
この記事が、あなたが最良の結果を得るお手伝いができれば、これ以上の幸せはありません。
本日も「ポジティブ終活」に来てくださってありがとうございました。

この4ステップで進めていけばいいんですね!
しかも、「勉強も必要最低限でいい」って分かれば少し気が楽ですね。
これなら確かに知識や経験がなくても相続税に強い税理士さんを見つけられそうですね〜♪
よーし、僕も父親と一緒に探してみよーっと!

実際の税金の申告はプロである税理士さんにお任せすればいいんじゃが、「その税理士さんに任せて本当に大丈夫なのか?」は自分で判断できるようになっておく必要があるんじゃ。
そのためには知識を学んで、地道に探すという地味な作業が必要なんじゃよ。
ただ、それもこれも相続税申告を滞りなく終わらせ、余分な税金を払うことなく、税務調査や追徴課税されないことに繋がっておるからの〜。
みなさんが「この人だ!」と納得できるような税理士さんと出会えることを祈っておるぞよ。