
Tさんは昨年、お父様を亡くされたそうです。
死因はガン。
お父様は当時まだ60代だったこともあり、見つかった時にはすでにステージⅣまで進んでしまっていたそうです。
お医者様からは「1年持つかどうか……」と言われてしまい、一時期はかなり落ち込んでしまわれたそうです。
それでもお父様は「そんな簡単に死んでたまるか!」と病気に立ち向かいます。
食生活を見直し、積極的に体も動かし、趣味も楽しみ。
そんな前向きな気持ちが報われてか、抗がん剤が見事に効き、徐々に元気を取り戻していったそうです。
病気が見つかった直後は「遺言書を書いておくか……」と言っていたそうですが、ご家族の方々も「それを書いたら本当に逝ってしまうんじゃないだろうか……」と思ったので強く勧めることはしなかったそうです。
そしてお医者さんから宣告された1年が過ぎ、2年が過ぎ、3年が過ぎた頃。
家族みんなで「このままこの生活が続くんじゃないか?」とうっすら期待をしはじめた矢先に、検査結果で数値が悪化していることをお医者さんから告げられます。
さらに強い抗がん剤を試してみたものの、副作用が酷く、お父様はとても辛そうだったようです。
それを機に体力が落ち、食欲も落ちてしまう、という悪循環。
お父様はあっという間に動くこともできない状態になってしまったそうです。
病院のベッドの上で「そろそろ遺言書を書かないとなぁ」とつぶやくお父様。
しかし、肝心の体力や気力がありません。
奥さまとお子様がTさんを含めて2人いたこともあり、相続の内容も簡単に書けるものではなかったそうです。
結局お父様は遺言書を書けないまま息を引き取ることになりました。
ただ、遺言書こそありませんでしたが、Tさんのご家族はお互いを思いやる気持ちを持った方々だったので、遺産相続でモメることはまったくなかったそうです。
最後にTさんからはこんなお言葉をいただきました。
遺言書は亡くなる間際に書こうと思っても、体力的にも気力的にも難しいことがよく分かりました。
一番良いのは元気な内に遺言書を書いておいてもらうことだと思います。
やっぱり病気になってからだと、家族も「書いて」って言いにくくなっちゃいますからね。
ウチの場合は幸いにもモメずに済みましたが、友人・知人の話を聞いてると悲しい話もたくさん聞きますから。
遺言書は何度も書き直せるそうなので、早めに準備して悪いことはひとつもないと思いますよ。
ポジ仙人とネガ男くんのまとめ

遺言書って最後の最後に書くイメージがあったんですけど、実際にはそんな余裕なんて無いんですね。
親に「遺言書を書いて」なんて言いにくいですけど、早めにやっておくのが親のためであり家族のためにもなるんですね。

そう、実はTさんも言うように遺言書で大切なのは「元気な内に書くこと」なんじゃ。
遺言書がなかったがために、それまで仲の良かった家族が仲違いになってしまうことも少なくないからの〜。
何事も家族で話し合っておくことが大切なんじゃよ。
テーマは「遺言書」じゃ。
遺言書を書くタイミングはとても大切じゃからの〜。