
そんなKさんが尊敬する経営者の1人が星野リゾートの星野佳路社長だそうです。
星野リゾートと言えば、1914年(大正3年)に開業した星野温泉旅館を星野家の4代目として引き継いだ佳路氏が時代にフィットした経営判断をとっていったことで、今では日本有数のリゾートホテル事業を手がける会社へと生まれ変わった会社です。
「リゾート運営の達人」という理念を掲げ、高級路線の「星のや」やリゾートホテルの「リゾナーレ」、温泉旅館の「界」や都市観光ホテルの「OMO」といった4ブランドを展開しています。
ちなみに社長の星野氏は学生時代にアメリカの大学でホテルの経営学を学び、シティバンク銀行などを経て星野リゾートの4代目社長に就任したという経歴の持ち主です。
「感覚ではなく、教科書通りに経営する」というのが信条で、時代を越えても普遍的な書籍を教科書として、「一言一句、その通りに実践する」というスタイルの持ち主としても有名ですね。
星野氏が過去に教科書として用いてきた書籍の数々は「星野リゾートの教科書」にまとめらているので、気になる方はチェックしてみてください。
超理論派の星野氏がたったひとつだけ掲げている数値目標が会社の業績ではない理由
「教科書通り」「理論が大事」「数字で検証する」と、超理論派で知られる星野氏。
「業績の数値目標はさぞ事細かく決めてるんだろう」と思いきや、まさかの「数値目標は細かく決めてません」の一言。
これには講演会の参加者も驚きの声が上がったそうです。
しかし、星野氏は続けてこう言ったそうです。
「ただ、私にも掲げている数値目標が”ひとつだけ”あるんです」
それは一体何なのでしょうか?
スクリーンに映されたスライドにはスキーをしている星野氏と「60日」の文字が。
「年間60日、大好きなスキーをする。これは私にとって仕事よりも大切なことなんです」
と、当たりまえのように話す星野氏。
星野氏はその理由についてこう語られたそうです。
私にとってスキーは人生で最高の楽しみなんですね。
ですが、日本人男性の平均寿命は80歳ちょっとですよね。
だから自分が50歳の時に「自分の人生もあと30年かぁ」と思ったんです。
それと同時にこう思いました。
「死ぬ間際になれば“もっとスキーをしたかった”と必ず後悔する。だからできるだけその後悔を減らせるようにスキーをする日数を決めよう」
そう心に決めたんです。
ただ、80歳になっても仕事はできるかもしれませんが、たぶんスキーはできないですよね。
だから自分の体が動くのが50歳からの15年間だと考えると、どう考えても年間60日はスキーをしないといけないんです。
この終末期に対する考え方にKさんは心を打たれました。
30年と聞くと「まだまだ長い」と感じますが、日数にすると「たった1万日」しかありません。
その貴重な1日1日をどう生きるのか?
理論派の星野氏ならではの考え方と言えるかもしれません。
実際に星野氏はスキーへ行っても仕事ができる環境を整えることで、年間60日という目標を達成されているそうです。
「会議にはテレビ会議で参加することがほとんどなので、スタッフからすると私が東京から参加していようがニュージーランドから参加していようがどうでも良いんですよ」
と、サラッと言ってしまう星野氏。
あれだけの規模の会社の社長でありながら、日本をはじめ海外でもホテル運営をしながら、さらに会社として日々成長を続けながら、それでいて自分が望む人生を追い求める。
そんな生き方にKさんは“究極の終活”を見たそうです。
最後にKさんはこんな言葉を残してくださいました。
経営学を学びに行ったつもりだったんですか、私が星野さんから学んだ一番大きなことは「生き方」でした。
でも、星野さんほどの多忙な方でも仕事だけでなくプライベートの充実も追求されている姿に、「人生とは何なのか?」を考えさせられましたね。
おそらく星野さんは仕事も趣味も”人生の大切なパーツのひとつ”として考えられていて、どちらかを頑張ることでもう一方も充実させているんだなと感じました。
この生き方や考え方こそが、「本当の意味での終活」に繋がっていくのかもしれませんね。
私は40代ですが、これを機に自分の今後の生き方を深く見つめ直してみたいと思います。
ポジ仙人とネガ男くんのまとめ

こんな生き方、同じ男として憧れちゃいます。
僕なんて趣味もないし、今の仕事もそんなに好きじゃないし……。
僕との差があり過ぎて星野さんを直視できないですよ〜(泣)
星野さんのような生き方、僕なんかにはできないだろうなぁ……。

何でもネガティブに考えてしまう、ネガ男くんの悪い癖が出ているの〜(笑)
星野さんのスゴさに気づけただけでも一歩前進じゃよ。
今は及ばなくとも、少しずつ真似てみれば良い。
毎日積み重ねれば数年後には大きな成長を遂げているはずじゃよ。
しかし、たしかにこれは“究極の終活”と言えるの〜。
終活はどうしても「死に支度」のようなイメージが先行しがちなんじゃが、本質は人生を最高に楽しむことなんじゃ。
ただ、年齢と共に体力が落ちてくると人生を楽しむために使えるエネルギーが少なくなってしまう。
だからこそ早めに準備や整理をしておくことで、好きなことに全力投球できるんじゃな。
ポジティブ終活に訪れてくださった人達には、ぜひ充実した人生を送り続けて欲しいものじゃ。
これはKさんが星野氏の講演を聞いて感じたエピソードなんだそうじゃ。
もちろん講演の本題はビジネスに関することだったようじゃが、著名な人の生き方を「終活」としいう視点で見ると、たくさんの学びがあるの〜。