
40代(女性)のSさんには70代の親御さんがいます。
終活の重要性を感じたSさんは、「親にもエンディングノートを書いてもらおう!」と思い立ったそうです。
ところが親の反応はイマイチ……。
「そんなもの今から書いてどうする」
「ウチには大した資産もないから必要ない」
「葬式はお前らの好きなようになってくれ」
と、なかなか自分事として捉えてもらえなかったそうです。
「もう、困るのはこっちなのに! 良かれと思って勧めてあげてるのに何なのよ!」と思ったその時、母親の言葉を聞いてハッ! としたそうです。
「あなた、そんなに私たちにいなくなってほしいわけ?」
実はご両親は書くのが嫌だった訳ではなく、自分たちがお荷物扱いされているような気がして、寂しさから思わずそういう反応をしてしまったんですね。
「あぁ、自分たちの都合ばっかり優先して、親の気持ちを考えてあげれていないかったな……」
そう気づいたSさんはある行動に出ました。
それは「まずは自分のエンディングノートを書くこと」です。
実家に寄った時にエンディングノートを書いていると、お母さんが「それ何なの?」と興味を持ってくれたそうです。
最初は「あんた、その歳でこんなもの書いてるの?」と言われたそうですが、「私の年代だって何があるか分かんないじゃん。だって小林麻央ちゃんなんて34歳だったんだよ。子供のことも心配だし」というと、「たしかにそうねぇ」と中身をパラパラ見てくれたそうです。
そしてSさんが書いた内容を眺めながら、
「たしかにこういう風にまとめておくと、いざという時はあなた達も楽だろうね。ちょっと私も一緒に書いてみようかしら」
と言ってくれたそうです。
すると、お母さんが「お父さん、あなたが一番書いておかなきゃいけない人なんだから!」と檄を飛ばしてくださり、最終的には二人とも前向きに書いてくれたそうです。
それをキッカケにSさんは親子で今まではできなかったいろんな話ができるようになったと喜んでおられました。
そんなSさんからは、最後にこんな言葉をいただくことができました。
終活においてエンディングノートを書くこと、それ自体は私もオススメします。
ただ、「エンディングノートを書くということは自分の死について考える」ということを忘れてはいけないと思いました。
私も自分で書いてみて、「こんなこと考えたくない」「こんなの分かんないよ」「どうしたら良いの?」と思うようなことがたくさんありましたから。
私の両親(70代)くらいの年齢であれば、私たちより死を身近に感じ始めている年頃です。
そこで「書いてよ」と一方的に言えば親がどんな気持ちになるのか考えられなかったのは今でも反省点です。
でも、一緒に書けば自分の心の整理にもなりますし、親も重苦しい気持ちにならずに取り組めるのでオススメですよ。
そして私の親はというと、エンディングノートを書き終えたおかげで、今では家の片付けと庭での野菜づくりに精を出しています(笑)
ポジ仙人とネガ男くんのまとめ

だから僕もなかなか親に勧められないんです……。
でも、たしかに自分のノートを書くことから始めれば勧めやすくなるかもしれないですね。
よし! まずは僕もエンディングノートを買ってみます!

ネガ男くんも少しずつポジティブ思考になってきたようじゃの。
しかし、Sさんはすごく大切なことを教えてくれているの〜。
そうなんじゃ。
ある日突然、子供から「終活をして」と言われても、親は驚くし、悲しいし、寂しいもんなんじゃよ。
ただでさえ親は周りの友人や知人がポツポツと亡くなっていく寂しさも感じている。
そんな時に子供から必要とされていないと感じた時の悲しさは計り知れんじゃろう。
だからこそ子供やパートナーが寄り添ってあげることが大切なんじゃよ。
しかし、子供が「書いて欲しい」と言ってもなかなか親は素直に受け入れられないもんなんじゃよ。