
Oさん(男性)のお父さんは80代。
それまで奥さまと元気に暮らしていたのですが、ある年の検診でガンが見つかってしまいました。
お医者さんからは「年齢も年齢ですし、もって3年くらいでしょう……」と告げられてしまったそうです。
それを聞いたお父さんは、奥さんやOさんを含めたご家族でしばらくその現実を受け入れられなかったそうです。
ただ、そうは言っても年齢はすでに80代。
「これが自分の運命なのか……」
時間とともに事実を受け止めていったそうです。
そして気持ちが落ち着いたお父さんは家の鏡に映った自分の顔を見てこう思われたそうです。
「よく見たらシミだらけで汚い肌だなぁ。棺に入った時、こんな顔をみんなに見せることになるのか……」
実はOさんのお父さんは自分でご商売をされていたこともあり、仕事を通してたくさんの友人・知人がいらっしゃるそうです。
すると、そこからある考えが思いついたそうです。
「そうだ! わざわざ自分の顔を見に来てくれた人のために、この顔を少しでも綺麗にしておこう!」
そう思い立ったOさんのお父さんは、奥さまが長らく通っているエステへ通い始めることに。
Oさんも最初は「80代男性がエステ!?」と驚いたそうですが、「父がやりたいことを最後までやらせてあげよう」と思い、見守ることに。
Oさんのお父さんはすっかりやる気マンマンで、最高級シリーズの化粧品を購入。
フェイスエステにも月2回のペースで通いはじめます。
気づけば奥さまと一緒にエステへ行くのもひとつの楽しみになっていたそうです。
すると、日に日に綺麗になっていくOさんのお父さんの肌。
たまに会う友人・知人からも思わず、「ちょっと! 別人みたいだね!」と驚かれるほど激的な変化を遂げていきました。
そんな言葉をかけられる度に気持ちも前向きになり、生きる活力がどんどん湧いてきたお父さん。
そのパワーを活かして、「体が動く内に身も心も綺麗にしよう!」と生前整理やお墓の購入、保有資産のスリム化など積極的に終活に取り組むようになりました。
そしてある日、病院で検査を受けるてみると……なんとガンがほとんど無くなってしまっていたのです。
この結果にはお医者さんもとても驚いたようで、「いったい何をされたんですか?」と目を丸くしていたそうです。
それからOさんのお父さんは、病気が見つかった直後は購入するつもりのなかった新しい車を購入し、国内を中心に奥さまと一緒にご旅行を楽しみはじめます。
さらには「残された自分の命を何かに役立てたい」という想いから、社会貢献活動に積極的に参加するなど元気いっぱいでご活躍されているそうです。
ポジティブな終活に相応しい、とっても素敵なエピソードですが、Oさんからは最後にこんな言葉をいただきました。
まさかエステでガンが治るとは夢にも思いませんでしたよ(笑)
あれから1年以上が経過していますが(2017年10月時点)、おかげさまで父はピンピンしていて、健康診断の結果も良好です。
最初は3年後の父の死を覚悟していましたが、今では「まさか俺より長生きしないだろうな」と心配になるほどです(笑)
ただ、母と出かける時や地域の活動に散開している時、孫と遊ぶ時の表情なんかを見ていると、「あぁ……、親父って今人生楽しいんだろうなぁ」って思いますね。
自分自身もそんな父を見習って悔いのないように生きていきたい、と思いました。
ポジ仙人とネガ男くんのまとめ

正直言うと終活って言葉は「死を早めるんじゃ?」みたいなイメージもあって少しだけ抵抗もあったんです。
でも、Oさんのお父さんのお話を聞かせてもらって、「ポジティブな終活のチカラ」みたいなものが分かった気がします。
この話、僕の両親にも教えてあげよ〜っと!

ネガ男くんの言う通りじゃの〜。
Oさんのお父様の自分の命に対する向き合い方は、「終活の教科書」と言っても良いくらい素晴らしい。
終活はどうしても「死に向けての準備」と思われがちじゃが、その本質は「人生をめいっぱい楽しむこと」なんじゃ。
もし今から終活を始めようと思っているのであれば、ぜひ前向きでポジティブな終活を楽しんでくれたら嬉しいの〜。
この話は「病は気から」ということを改めて教えてくれる本当に良い話じゃよ。